今まで何の問題もなかった経済がいきなり悪くなってしまい、不況という状況ではなくむしろ経済が破綻してしまう状態を恐慌と言いますよね。
これが世界規模で起こったものが世界恐慌ですが、1929年にはアメリカでこの世界恐慌が起こりました。
他のものと区別するために世界大恐慌ということがあります。
なぜアメリカで世界大恐慌が起こったのでしょうか。
ここでは世界大恐慌が起こった原因について解説します。
第一次世界大戦の影響
世界大恐慌が起こったのは1929年ですが、その10年ほど前、1910余年から1918年まで第一次世界大戦が起こっていました。
ヨーロッパでは様々な工業製品や農作物が作られていましたが、第一次世界対戦の間はこれらがアメリカで作られていたのです。
そして残った分を輸出することにより、アメリカの景気は良かったと考えられます。
第一次世界対戦が終わってからもヨーロッパはすっかりと疲弊していたため、むしろアメリカが世界経済の中心となっていました。
そして1920年代に入るとアメリカの都市化が進み、さらに景気が良くなっていったのです。
さらにアメリカ企業の株を買おうとする人が増えていきました。
この動きはアメリカ人だけではなく、世界中の人々に広がっていったのです。
戦争で疲れきったヨーロッパの株を購入するよりも好景気のアメリカの株を購入した方が儲かるように感じたわけです。
過剰な生産の結果
その一方でアメリカにおいては過剰な生産が多発し、商品の売れ残りが起こるようになりました。
そしてヨーロッパの国々の経済が向上し、今まで売れていたはずの工業製品や農作物が売れなくなってしまったのです。
売れなくなってしまったらそんな会社の株はいりませんよね。
それにより、1929年10月24日、ウォール街のニューヨーク証券取引所に置いて株価が大暴落してしまいました。
国民は銀行からお金を引き出し、銀行が倒産してしまいます。
銀行が融資していた企業ももちろん倒産してしまい、その企業から仕事をもらっていた中小企業や工場なども倒産してしまったのです。
1日に自殺者が何人も出てしまい、失業率が25パーセントにまで上がりました。
これが世界大恐慌の原因です。
ニューディール政策により回復
しかしアメリカはこの状況を回復させ、経済を立て直さなければいけませんでした。
そのため1933年、フランクリンローズベルト大統領がニューディール政策を開始したのです。
今までアメリカは自由主義の経済政策をとっていました。
しかし政府が市場に介入することにより、経済を立て直そうとしたのです。
まず全国の人口を一時的に閉鎖し、政府が内情調査を行いました。
通貨のコントロールをすることにより、銀行の状況を改善させようとしたのです。
そして反トラスト法を撤廃し、企業連合を推奨しました。
農業の生産量を制限し、あまりものが出ないようにしたのです。
このようにしてアメリカの世界大恐慌は回復していきました。
まとめ
いかがでしょうか。
世界大恐慌はいきなり起こるものではありません。
そこには原因が存在し、時間をかけて経済が悪化していってしまうのです。
この世界大恐慌はアメリカのみならず、他の国にも多大な影響を与えました。