湾岸戦争でアメリカが与えた経済や景気への影響について

戦争をすることによって景気が良くなるという表現があります。

湾岸戦争が起こったとき、イラクの経済や景気は極めて悪化の一途をたどっていました。

そんな時に起こった湾岸戦争は、イラクの経済や景気にどのような影響を与えたのでしょうか。

ここでは湾岸戦争でアメリカなどの国家が与えた経済や景気に関する影響について解説します。

経済の回復

湾岸戦争は1990年に始まりました。

これは冷戦が終結した翌年であり、冷戦によってアメリカの経済は疲弊していたといえます。

そんな中で湾岸戦争が起こったことにより、確かにアメリカの経済は良くなりました。

特にレーガン政権が終わった後のブッシュ政権はあまり際立った出来事がなく、ブッシュ大統領にとって湾岸戦争への参加は指導力を示すのに最適だったのです。

湾岸戦争はイラクがクウェートに侵攻したことによって始まりましたが、そんなイラクはイランイラク戦争によって多額の債務を抱えていました。

石油を輸出することによって経済を回復しようとしたにもかかわらず、クウェートがOPECの規定を無視して大量に石を輸出してしまったことにより、イラク経済は大打撃を受けたのです。

クウェートの役割

イラクがクウェート侵攻した時、イラクはここにアメリカや多国籍軍が関わってくるとは思ってもいませんでした。

しかしこの国際法の違反に対して国連が多国籍軍を派遣したことにより、湾岸戦争へと発展します。

最終的に国連軍はイラクに対し経済制裁を行いました。

イラクの一切の輸出入を禁止したのです。

イラクが石油を輸出することを禁じ、さらに他の国から食材などを輸入することを禁止しました。

これによってイランイラク戦争で悪化していたイラクの経済や景気はさらに悪化の一途をたどります。

経済制裁の緩和

経済制裁を受けたことにより、イラクでは500,000人の子供が命を落としたと言われています。

病気になっても怪我をしても治療してもらうことさえできず、食糧難によって多くの人が栄養失調となり、餓死していきました。

そのため国連軍は1995年に経済制裁を緩和します。1年間に14億ドル以下であれば石を輸出しても良いということに決めました。

しかしそれによって得たお金で戦争の準備をされたら大変だということにより、イラクから石油を購入した会社はお金を国連が管理する銀行に入れ、そこからイラクにお金を渡していくことにしたのです。

しかしイラクは拒否権を持つ常任理事国である中国やフランスに石油を売り、徐々に経済制裁をなくしていきました。

そのためイラクの経済や景気は徐々に回復することとなったのです。

まとめ

いかがでしょうか。

イラクの経済や景気はもともと悪化していましたが、湾岸戦争によって経済制裁を受け、その状況はさらに悪化しました。

しかし常任理事国に石油を売ったことにより、徐々に景気を回復させていくのです。