湾岸戦争は一般的に1990年にイラクがクウェート侵攻したことにより、国連が空爆を放って始まった戦争を指します。
最近では2003年にもイラク戦争が起こったことにより、この湾岸戦争自体を第一次イラク戦争と呼ぶこともあります。
それならば、この湾岸戦争は世界にどのような影響を与えたのでしょうか。
ここでは湾岸戦争における世界的な影響について解説します。
アメリカが世界の軍事国家となった
湾岸戦争というのはあくまでもイラクがクウェート侵攻したことにより、アメリカを中心とする国連軍である多国籍軍がイラクを攻撃したことから始まりました。
1980年代までは冷戦の最中でしたから、常にアメリカとソ連が対立していたのです。
しかし1990年に湾岸戦争が起こり、冷戦が既に集結した状態での戦争であったということもあり、アメリカを中心とする多国籍軍が動いたということがこの湾岸戦争の特徴的な出来事だったと言われています。
そして1990年の時点ではまだソ連はロシアではありませんでした。
しかしソ連がこのアメリカの動きを支援したということが重要です。
湾岸戦争により、アメリカは世界の軍事国家であるということを世界に知らしめたのです。
日本への批判
湾岸戦争が世界に与えた影響として、日本が人的援助ができないということを印象づけるきっかけにもなりました。
日本は第二次世界大戦が終わってからずっとアメリカに守られた形で存在しています。
日本国憲法において戦力を持たないということが決められており、アメリカ主導で作られた警察予備隊は保安隊となり、後の自衛隊になりました。
しかし自衛隊は自分の国も自衛するという建前でできているものですから、外国での戦いに関与することができないのです。
そのため日本は国連加盟国としての参加を求められましたが、人的な支援をすることができませんでした。
ちょうど1990年は日本の経済が絶好調であったため、日本は資金の支援はできましたが、人員を派遣するということができなかったのです。
これによって日本はアメリカを中心とした国家から強い批判を受けました。
中東諸国での戦争
湾岸戦争はただ湾岸戦争そのもので起こったわけではありません。
第二次世界大戦が終わった後、中東では中東戦争が4回にわたって起こっていました。
この4回目の中東戦争がイランイラク戦争に関連し、このイランイラク戦争によって経済的に低迷してしまったイラクが石油で経済回復を図ろうとしたところ、近隣の国であるクウェートがOPECの規定を破り、石油を安く大量に輸出してしまったことによってイラクがクウェートを侵攻したのです。
つまり、中東におけるあらゆる戦争はつながっており、湾岸戦争は2003年のイラク戦争につながっていきます。
このように湾岸戦争は世界に対し、中東におけるあらゆる戦争がつながっており、根本的な問題が解決していないということを知らしめるようになっていくのです。
まとめ
いかがでしょうか。
湾岸戦争はなんとなくマイナーな戦争に感じるかもしれませんが、世界に多大な影響を与えた戦争だといえます。
そしてこの戦争は2001年9月11日の同時多発テロにも影響していくようになります。