アメリカ独立宣言の1部が削除されているということを知っているでしょうか。
アメリカ独立宣言は大陸会議によって採択されましたが、そのアメリカ独立宣言は実は削除されている部分があるのです。
それはいったいなぜなのでしょうか。
ここではアメリカ独立宣言の1部が削除された理由について解説します。
奴隷解放条項が削除
アメリカ独立宣言においては奴隷を解放する旨が書かれた箇所が削除されることとなりました。
もともと黒人たちは自由黒人であれ奴隷黒人であれ、武器を取る事は許されなかったのです。
だからこそ、たとえそれが自由のみの黒人であったとしても奴隷状態の黒人であったとしても、自分たちが武器をとって戦うというのは自由への第一歩でした。
そのため彼らは積極的にアメリカ独立戦争に関わろうとしたのですが、奴隷たちは財産とみなされていたため、その財産である奴隷を戦争で使うという事は奴隷主の所有権を侵害することになってしまったのです。
それが理由で、最終的に黒人兵士たちは戦争では使われなくなってしまいました。
戦争の長期化と黒人兵士
しかし、アメリカ独立戦争が長期化することにより、兵隊が足りなくなって黒人兵士たちを使うしかなくなってしまったのです。
それによって13の植民地は黒人やインディアンたちも兵士として駆り出すようになりました。
そして最初はアメリカ独立宣言の中で奴隷を解放する旨を盛り込んだのです。
イギリスの国王であるジョージ3世はイギリスやジョージ3世に逆らったことがないアフリカの黒人たちの自由や神聖な権利を侵害し、奴隷制度の中に連れ込んだり、奴隷船の中で悲惨な死に至らしめた、この恥ずべき行為は大英帝国の国王によってなされてきた、などという文言が書かれていました。
アメリカ独立宣言の削除の理由
その一方で、トマスジェファーソンはサウスカロライナとジョージアがまだまだ奴隷貿易を行っており、そしてその貿易を続けていこうとしていたためにこのような奴隷制度を止める文言を加えてしまったらこれらの地域の機嫌を損ねてしまう、ということを理由としてこの文言を削除したのです。
大陸会議によってそのすべては削除されてしまったのです。
つまり、この文言の中ではイギリスこそが奴隷貿易を行っていたと書かれていますが、実際にこの奴隷貿易を強く支持したのは北部の奴隷貿易商人たちだったのです。
まとめ
いかがでしょうか。
黒人奴隷を解放するという文言がアメリカ独立宣言に書かれていたというのは面白いことですよね。
しかし、実際はアメリカが奴隷制度に賛成しているという理由によりこの文言は削除されてしまい、さらに黒人奴隷たちはその後も差別されていくことになるのです。