アメリカ独立戦争の時にイギリス王は何をしたのか

アメリカ独立戦争というのは本来イギリス人同士の戦いであり、アメリカに居住地を移していたイギリス人とイギリス本土のイギリス人による戦争なのです。

それならば、アメリカ独立戦争が起こっていた時、イギリス王は一体何をしていたのでしょうか。

ここでは、アメリカ独立戦争の時のイギリス王について解説します。

ジョージ3世

アメリカ独立戦争が起こっていたときのイギリス王はジョージ3世です。

ジョージ3世は1760年から国王としてイギリスに君臨していました。

それまでのイギリス王よりも長くイギリスを統治し、この時代にはヨーロッパのみならず、アメリカやアジア、アフリカなど、多くの地域における戦争が起こっています。

ジョージ3世がイギリス王となった直後には7年戦争が起こり、イギリスはフランスに勝利を収めました。

そしてアメリカ独立戦争ではアメリカに敗北し、13の植民地を失います。

1793年になるとフランス革命戦争やナポレオン戦争に突入し、1815年のワーテルローの戦いまでその戦いが続いていきます。

アメリカ独立戦争が始まる前

ジョージ3世が国王として君臨していた時、アメリカ独立戦争が起こりました。

もともと13の植民地はアメリカ独立戦争が始まる前年、1775年にイギリス王に対し、議会への介入を要求しています。

この時23の植民地が2回目の大陸会議においてイギリス王に手紙を出しており、これをオリーブの枝請願と呼びます。

請願自体は植民地をイギリスの中に留めておくことを目指していましたが、イギリス王はこれを無視しました。

そのためにアメリカ独立戦争が始まっていくのです。

もともとはオリーブの枝請願ではなく、国王に対する第二の請願、あるいは謙虚な請願、という形で知られていました。

旧約聖書の中にある脳の方舟でノアが放った鳩がオリーブの葉っぱを加えて帰ってきた、ということからオリーブの枝請願と呼ばれるようになったと言われています。

アメリカ独立戦争の始まり

アメリカ独立戦争が始まり、ニューヨークに設置されていたジョージ3世の銅像が取り払われました。

イギリスは1776年にニューヨークを占領しますが、13の植民地の力が強く、戦争は徐々に大規模なものとなっていきました。

イギリス国内では戦争を止めるべきだという声も上がりましたが、ジョージ3世はあくまでもアメリカ独立戦争を継続することにこだわりました。

国王はアメリカ人の独立を認めない、戦争によって不服従を懲罰する、反乱軍を貧窮な状態に陥らせる、という考えの持ち主だったのです。

ただし、これに関しては戦争をすることによってイギリス王は13の植民地を失うようなことをするはずがない、という考え方も存在しています。

まとめ

いかがでしょうか。

イギリス王はアメリカの独立を喜んだわけではなく、むしろ戦争によってアメリカ側を苦しめ、イギリスに対して忠実ではないということに関する罰を与えようとしていたということがわかります。

ただしその一方で、歴史家の中にはジョージ3世は戦争を止めようとしていた、という考え方も存在しており、それは未だに定かではないとされています。