冷戦と言えば資本主義を推し進めていたアメリカと社会主義を推し進めていたソ連の対立ですよね。
しかし、いくら考え方が違うからといっても、資本主義と社会主義は今なおこの社会に共存しています。
あえて冷戦という形で争わなくてもよかったのではないかと思う人もいるかもしれません。
それならば冷戦においてなぜアメリカは資本主義を強めていったのでしょうか。
ここではアメリカが資本主義の勢力を拡大していった原因について解説します。
社会主義勢力を阻止
アメリカが資本主義を強めていった背景には当然ながらアメリカ自体が資本主義だから、という理由が挙げられます。
もしもアメリカ国内で社会主義の人たちが力を伸ばしてしまうと、多くの資本家は自分が持っている財産を失ってしまいますよね。
さらに社会主義が広がってしまったら反米意識が広まることとなり、アメリカにとっては不都合になってしまいます。
特に1946年から1947年にはイタリアやギリシャで勢力争いが起こっていますが、アメリカは自分の協力国を資本主義にしておかなければいけなかったのです。
ソ連の位置に問題
ロシアは今現在世界で最も大きな国ですが、ソ連はそれ以上に大きな国でした。
もともとソ連はヨーロッパとの緩衝地帯を持つことを望んでおり、それがポーランドやハンガリーなどの東欧諸国に当たったのです。
資本主義的な立場を保っているヨーロッパはあくまでも西側諸国であり、東欧諸国とは違いました。
そしてソ連はそのような緩衝地帯を社会主義とすることにより、資本主義である西ヨーロッパを区別する必要があったのです。
さらに、当時まだヨーロッパは植民地を持っていましたが、そのような西ヨーロッパに支配されていた国家は西ヨーロッパに反対の立場のソ連を支持していました。
アメリカはこのような動きを抑え、資本主義を広めていくことにしていたのです。
軍事技術の向上
宇宙開発競争が行われたことにより、弾道ミサイル技術なども発達してきました。
そしてソ連がキューバにミサイル基地を設置したことにより、何かあったらアメリカのニューヨークやワシントンに書く攻撃が及んでしまうという事態を迎えたのです。
これはアメリカのみならず西側諸国にとって恐ろしいことでした。
自分の周りに社会主義国家があった場合、アメリカが抱えているリスクと似たようなリスクを抱えなければいけない、という恐怖があったのです。
もちろんこれはソ連にとっても同様です。
そのため相互確証破壊としてお互いが動かないような状況になっていたのです。
まとめ
いかがでしょうか。
資本主義と社会主義というのは単なる政治的な考え方の違いの対立ではありません。
それ自体は政治に影響を与えますが、軍事的にも外交的にも変化が生じてしまうのです。