アメリカの奴隷制と聞くと、南北戦争を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
南北戦争の最中、1863年にリンカーン大統領が奴隷解放宣言を出し、奴隷たちは自由の身となりました。
つまり、アメリカ独立戦争が行われたときには奴隷制が存在していたということになります。
それならばアメリカが独立することによってこの奴隷制はどうなるのでしょうか。
ここではアメリカ独立戦争と奴隷制について解説します。
奴隷制は既に存在していた
アメリカ独立戦争が起こったとき、奴隷制は既にアメリカに存在していました。
そして奴隷を持つことに関しては倫理的な問題など存在しなかったのです。
それどころか、ジョージワシントンやトマスジェファーソンなど、建国の父と言われた初期の大統領たちは奴隷たちを有していたとも言われています。
あくまでもアメリカというのは白人たちの国であり、黒人のものとはみなされていませんでした。
そのため奴隷制に対して違和感はなく、黒人たちは奴隷として白人の所有物として生活していたのです。
アメリカ独立宣言の「我々」
アメリカ独立宣言には「我々は皆平等である」という言葉があります。
しかし、この「我々」という表現には黒人たちは含まれていませんでした。
それどころかインディアンや白人女性なども含まれてはいなかったのです。
ここに書かれている「我々」というのはあくまでも白人男性を指していたのです。
そのため、いくら「我々は皆平等である」と書かれていたとしても、白人男性ではない人々に対して差別が続いていきます。
初代大統領になる奴隷主の中にはインディアンを嫌がっていた人もおり、特に第7代合衆国大統領アンドリュージャクソンはインディアンを追放する法律を出しています。
南北戦争で奴隷制がなくなる
ここから100年ほど後に南北戦争が起こります。
その最中である1863年、リンカーン大統領は奴隷解放宣言を出しました。
もっとも、この奴隷解放宣言が出された理由はリンカーンが心から奴隷の解放を望んでいたというわけではなく、南部が負けそうであったため、戦争の大義名分をアメリカの分裂を防ぐことではなく、奴隷制を廃止するためのものであると宣言することによって北部を勝利に導こうとしたのです。
しかしこれで確かに奴隷たちは解放されましたが、黒人に対する差別意識はまだまだ続いていくことになります。
まとめ
いかがでしょうか。
奴隷制が廃止されたのはあくまでも南北戦争の時であり、しかも南北戦争が起こったからといって奴隷たちが権利を得たというわけではありません。
特にアメリカ独立戦争が起こったときには奴隷制に対する罪悪感なども全然なかったのです。