代理戦争という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
主体が直接戦争に関わるわけではなく、それ以外が当事者として戦う戦争を指します。
冷戦というのはその名の通り、冷たい戦争であり、直接交戦が行われたというわけではありません。
しかし冷戦の主体となったアメリカとソ連以外で代理戦争が起こっているのです。
それならばどのような代理戦争が行われたのでしょうか。
ここでは冷戦における代理戦争について解説します。
目次
朝鮮戦争
1950年から始まった朝鮮戦争はまさしく冷戦の最中の代理戦争といえます。
朝鮮半島の北側はソ連が、朝鮮の南側はアメリカが支援することとなり、北は北朝鮮民主主義人民共和国、南は大韓民国として存在していますね。
朝鮮戦争が始まった時は共産主義の中国がアメリカに歯向かう形にもなりました。
つまり社会主義対自由主義の戦争であり、正しく冷戦の代理戦争と言えるのです。
朝鮮戦争は実は休戦協定が結ばれただけでいまだに終戦は迎えていません。
平和的な解決が見つかるまで直接対決はしないということが決まっていますが、未だに平和的な解決策は見つかっていないのが現状です。
ベトナム戦争
ベトナム戦争も冷戦の代理戦争と家ます。ベトナムは南ベトナムと北ベトナムに分かれており、これもソ連とアメリカが分割して支配している状態でした。
ベトナム戦争は、アメリカ史上初めてアメリカが勝利を収めたとは言えない状態の戦争です。
アメリカが負けたとは言い切れない側面がありますが、アメリカが勝ったとも言い切れず、アメリカにとっては汚点とも言える戦争だと言われています。
さらにベトナム戦争においてはソンミ村大虐殺なども起こったため、いまだに人道的な議論を呼ぶ戦争となりました。
軍拡競争について
代理戦争とは違いますが、冷戦は軍拡競争が激しくなった時代でもありました。
もともとアメリカが核兵器を開発させたことからそれも核兵器の開発を急ぎます。
また、ソ連がスプートニクショックを行ったときにはアメリカは大きな衝撃を受けました。
アメリカの教育界にも影響があり、物理や化学などが盛んになります。
キューバ危機においてはキューバにミサイル基地が設置されることとなり、何か起きたらアメリカに多大なる影響が出るという状態となりました。
アメリカとソ連が核兵器の戦争を起こすかもしれない一触即発の状態になったのです。
世界は核戦争の可能性を思い知らされ、恐怖に陥りました。
これに関してはケネディ大統領とフルシチョフ首相が話し合いを進めたため解決したとされています。
まとめ
いかがでしょうか。
冷戦は確かに直接の対決はありませんでしたが、その代理戦争という形で多くの戦争が起こりました。また、多くの植民地が独立しようとしたことによりそこでも紛争が起こり、多くの死傷者が出たのです。
そのため冷戦自体は死傷者を出していませんが、代理戦争では多くの死傷者が出てしまったのです。