1945年に始まった冷戦は1989年に集結します。
決して直接戦う戦争ではありませんでしたが、アメリカが率いる西側陣営とソ連が率いる東側陣営は世界を巻き込んで対立することとなり、冷たい戦争と呼ばれるようになったのです。
しかし、この戦争が終結したことによって世界はどのような影響を受けたのでしょうか。
ここでは冷戦の終結が世界にもたらした影響について解説します。
日本とアメリカの関係
冷戦が激化したことにより、アメリカは日本を独立国として扱おうと考えました。
アジア諸国が共産主義になっていく中、アメリカは日本を共産主義に対抗できる国家として自立させようとしたのです。
そのため、サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約を同時に締結しました。
しかし冷戦が終結したことによってこの日米安全保障条約が必要なくなったため、日米安全共同宣言という形で日米が協力することになったのです。
つまり、アメリカは日本の周辺事態に備えて駐留し、必要があれば後方支援をするということになりました。
これが冷戦の終結が日米関係に与えた影響です。
民主化
冷戦が終結する前から、多くの社会主義国家は民主化への動きを進めていました。
政治的には民主主義、経済的には資本主義を求めるようになっていたのです。
もともと社会主義国家の経済は停滞しており、例えば東西分裂されたドイツでは東ドイツの経済は悪化の一途をたどっていました。
そのためベルリンの壁を越えて西ドイツに行こうとする人が足りなかったのです。
多くの人がここで命を落としました。
ベトナムは南北に分けたベトナム戦争でも多くの人が亡くなり、資本主義と社会主義の対立による戦争は確かに冷たい戦争とは言われていましたが、その影響を受けて起こった戦争においては多くの人が命を落としたのです。
しかし冷戦が終結したことによってこのような戦いがなくなり、社会は民主化をするようになりました。
核戦争の脅威の消滅
冷戦は確かに資本主義諸国と社会主義諸国の対立でしたが、第三次世界大戦が起こるのではないかと思われたほど軍拡競争が進んだ時代でもありました。
特にキューバ危機の時には核戦争が起こると誰もが予測したことでしょう。
原爆のみならず水爆が出来上がり、さらに原爆の技術も第二次世界大戦で広島や長崎に投下された原爆以上の破壊力を持った核兵器が出来上がったのです。
そのため冷戦が終結したことにより、核戦争が起こる可能性がなくなった、核戦争が勃発する確率が低下した、といった影響もありました。
まとめ
いかがでしょうか。
冷戦は世界に様々な影響をもたらしましたが、冷戦の終結の世界に影響をもたらしています。
しかしこれで世界が平和になったというわけではなく、世界は次への戦争の時代へ入っていくのです。