1929年、ニューヨークの証券取引所の株価が大暴落したことにより、世界大恐慌が起こりました。
この世界大恐慌はその名の通り、世界中に影響を与えたのです。
それならばこの世界大恐慌はドイツにどのような影響与えたのでしょうか。
ここでは世界大恐慌がドイツに与えた影響について解説します。
目次
第一次世界大戦後のドイツ
そもそも世界大恐慌が起こったときのドイツ経済は全然良い状態ではなかったのです。
そもそも第一次世界大戦に敗北した国であり、国家予算の2.5倍と言われる賠償金を30年ローンで支払っている最中でした。
しかし産業の中心であったルール工業地帯はフランスによって占領されてしまい、ドイツの経済は落ち込んでいたのです。
1920年前半は失業率が30パーセントに近かったのですが、ハイパーインフレーションが終わり、アメリカが賠償金の支払いに介入したりすることによって1920年代後半には失業率が5パーセントにまで軽減していました。
この調子で行けば何とかやっていけるという状態だったのです。
国家の目的は「国民を飢えさせないこと」
せっかくドイツの失業率が下がりつつあったにもかかわらず、世界大恐慌が起こったことによってドイツ全体で失業率が30パーセントになってしまいました。
自殺する人が増え、犯罪や栄養失調などで死亡する人が増えていたのです。
国家の目的は「国民を餓死させないこと」となり、栄養失調が原因となる病気も蔓延しました。
スープを配る団体活動なども行われたのです。
ドイツはドイツとオーストリアの関税同盟を結ぶことによりオーストリアと協調を図りますが、フランスを始めとする第一次世界大戦における連合国に拒否されてしまい、うまくいかなくなりました。
フランスが経済制裁を行ったためにオーストリア経済は崩壊してしまい、ドイツとオーストリアはファシズムへの道を進むことになったのです。
ナチスの台頭
1933年、アメリカではルーズベルト大統領が就任してニューディール政策を始めた同時期に、ドイツ国内においてはこの状態を解決するためにヒトラーが政権を取りました。
国民に仕事を与えるということでナチスは道路の建設や軍需産業の拡大などを実行し、失業率を下げていたのです。
しかしこれらも一時しのぎでしかなく、最終的には債務が増えていってしまいました。
最終的には戦争によって他の国の領土を獲得するか賠償金を獲得するかしなければ経済が破綻するという状態になってしまったのです。
それにより、植民地を持っていたイギリスとフランス、そして植民地を持たないドイツやイタリア、日本の間で戦争が始まっていくのです。
まとめ
いかがでしょうか。
世界大恐慌自体は第一次世界大戦の影響受けていますが、世界大恐慌は確実に第二次世界大戦に影響与えていたのです。
当時経済が破綻している状態であったドイツでナチスが歓迎されたのは当たり前のことなのかもしれませんね。