1990年から始まった湾岸戦争は様々な問題点をはらんでいました。
もともと湾岸戦争を知るためにはその前の戦争のことも知っておかなければいけません。
これらの戦争は湾岸戦争にも絡んでおり、そして湾岸戦争は2003年のイラク戦争にも絡んでいきます。
政治学においては湾岸戦争を第一次イラク戦争、2003年のイラク戦争を第二次イラク戦争と呼ぶこともあるほどです。
それならば湾岸戦争における問題点とは一体なんなのでしょうか。
ここでは湾岸戦争における問題点を3つ紹介します。
イラクによるクウェートの侵攻
もともと湾岸戦争はイラクが隣の国であるクウェート侵攻したことから始まりました。
その前に起こっているイランイラク戦争により、イラクの経済は低迷してしまったのです。
アメリカの援助を受けていたため、アメリカから物資をこれ以上輸出してもらうわけにもいきませんでした。
そのため経済の9割を成り立たせている石油に頼ろうとしたのです。
しかしクウェートがOPECの規定を破り、石を安く大量に売ってしまったためイラクの経済はさらに悪化しました。
それによりイラクはクウェートを侵攻します。
これは明らかな国際法違反でした。
しかしこの時、イラクはまさかここにアメリカが介入してくるとは思ってもいなかったのです。
経済制裁
最終的にイラクは国連軍から経済制裁を受けることになりました。
イラクのあらゆる輸入や輸出が禁じられたのです。
それによって食料の3分の2を輸入で賄っていたイラクは食料不足になり、500,000人の子供たちが命を落としたと言われています。
医療費等も足りなくなってしまい、多くの人々が栄養不足となり、病気になりました。
これも湾岸戦争における新たな問題です。
そこで国連はイラクに対し、年間14億ドル以内ならば石油を輸出しても良いということに決めました。
しかしそこでイラクが戦争に使う武器などを購入し、しっかりと人道支援を行うという保証がなかったため、国連はイラクから石油を購入した会社には国連が管理する銀行にお金を振り込んでもらい、そこからイラクにお金を渡すことにしていったのです。
イラク戦争へのつながり
国連とイラクが結んだ停戦協定には、イラクの大量破壊兵器の放棄という項目がありました。
そしてその後国連がイラクの内部調査を行う予定だったのです。
しかしイラクは国連による内部調査を拒否しました。
そのためアメリカを始めとする先進国はイラクは大量破壊兵器を隠し持っているのではないか、と疑うようになったのです。
2001年に同時多発テロを受けたアメリカは、翌年オサマ・ビンラデンがアフガニスタンにいると聞き、アフガニスタンを侵攻します。
しかし、テロを支援しているフセイン政権を倒すため、アメリカは今度はイラクに目をつけました。
しかしいくらアメリカでもいきなりイラクを攻撃するわけにはいきません。
そのためアメリカはイラクが国連の調査を嫌がった、本当は大量破壊兵器を隠し持っている、ということに目をつけイラク戦争を行ったのです。
これも湾岸戦争が残した大きな問題点の1つです。
この問題点があったからこそ、2003年のイラク戦争が起こったとも言えるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
湾岸戦争は様々な問題点を残しましたが、その1つはイラク戦争にも残ってしまうものでした。
ただしこのイラク戦争自体もアメリカは国連の支援を得ることがなく、無意味な戦争だったと言われています。