アメリカ独立宣言と人権宣言の違いと

アメリカ独立宣言とフランス人権宣言は同じくイギリスの哲学者であるジョンロックの思想の影響を受けており、内容は非常に似ているといえます。

それならばアメリカ独立宣言とフランス人権宣言はどのような違いがあるのでしょうか。

ここではアメリカ独立宣言と人権宣言の違いについて解説します。

宣言が出された背景

まず当たり前のことではありますが、アメリカ独立宣言とフランス人権宣言は出された背景が違います。

アメリカ独立宣言は1776年7月4日に採択され、フランス人権宣言は1789年8月26日に採択されました。

そしてこれはアメリカ独立戦争の最中に出されたものであり、フランス人権宣言はフランス革命の最中に出されたものになります。

また、アメリカ独立宣言はアメリカの大陸会議によって採択され、トマスジェファーソンやベンジャミンフランクリン、ジョンアダムスらに起草されました。

フランス人権宣言はラファイエットによって起草されています。

市民か人民か

もちろんアメリカ独立宣言とフランス人権宣言は書かれている言語も違うわけですから、読めばどちらのものかははっきりしますが、一般的に人民というフレーズで書かれているものがアメリカ独立宣言であり、市民と書かれているのはフランス人権宣言となります。

アメリカ独立宣言の場合は人民という言葉がたくさん出てきますが、人権宣言はフランス人明という言葉が全部に出てくるだけで、それ以外には市民という表現が使われているのです。

また、神という表現が書かれているものがアメリカとなり、最高の存在と書かれているものがフランスです。このように表現の違いがあります。

書き方の違い

アメリカ独立宣言の場合、冒頭から「人民には自然権がもともと存在する」などということを主張しているため、中盤から後半にかけてはイギリスの国王や本国政府がいかに酷なことをしてきたか、ということが書かれています。

それに対しフランスの人権宣言の場合は全文は簡単な内容となっており、国民議会が最高存在を前にして持っている自然権を人間及び市民の権利として認めるという内容になっています。

最初から主張が書かれているわけではありません。

また、フランス人権宣言はこの後に制定される憲法の姿勢を示しているものですので、一つ一つ確認する本文が続きます。

まとめ

いかがでしょうか。

アメリカ独立宣言とフランス人権宣言は確かに違いがあり、見分けるポイントも存在します。

しかし書かれている内容は基本的に同じであり、フランス人権宣言のほうがわかりやすいとも言われています。